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パロディと盗作は何が違うの?デザイン前に知っておきたい著作権

公開日:2021/09/01  最終更新日:2021/09/22


オリジナルのグッズなどを作る中で、既存のキャラクターやデザインをパロディしたいという方は多いですよね。「個人的に楽しむ分には大丈夫でしょ?」と思うかもしれませんが、本当に法的に問題がないのでしょうか。今回の記事では、自分が作ったグッズを気持ちよく使えるように、デザインする前に著作権について知っておきましょう。

パロディと盗作の違い

パロディと盗作の二つの言葉を比べると、聞こえがよいのは明らかにパロディのほうですよね。盗作は「盗む」という字も入っていて、罪に問われそうなことが簡単にわかります。それでは具体的に両者の違いについて見ていきましょう。

まずパロディについての説明ですが、これは既存の作品の一部分を変更したり、新しい内容を加えたりする表現方法のことです。つまり、原作のことを知っている人でないと楽しめない表現です。わかりやすい例として、モノマネがまさにパロディです。真似をしている芸能人のことを知らないと、その面白さがわかりませんよね。

盗作はこれとは反対です。既存の作品をまるまるコピー、もしくは一部のアイデアを勝手に使用して、「自分の作品」として発表します。これは原作があることを悟られては盗んだことがバレてしまって、「自分の作品」として機能しません。このように、原作の存在を知られているべきか否かが、パロディと盗作の大きな違いです。意図的に原作の存在を隠している分、盗作は悪質な著作権侵害といえます。

パロディ・オマージュはグレーゾーン

パロディと並んでよく聞くのが、オマージュという言葉です。これもパロディと同じように、原作をもとにして違う作品をうみだしたり、原作にアレンジを加えたりする表現方法なので、原作を知られていないと楽しんでもらえません。

オマージュというのはフランス語で「敬意」や「賞賛」という意味のある「hommage」という単語から来ています。盗作とは異なり、原作への敬意ありきのパロディ・オマージュですが、実際のところ、法律上で問題はないのでしょうか。実は、パロディもオマージュも、日本の法律ではどちらも等しく著作権侵害にあたってしまいます。

盗作と同じ扱いということです。販売・配布が目的ではなく、個人的に楽しむためだとしても、著作物をコピーしたり模写したりしてプリントするという行ためが著作権の侵害になるのです。ただ、著作権侵害というのは実際には親告罪なので、原作の作者、つまり著作権者が訴えない限りは罪になりません。

しかしいい換えれば、著作権者から訴えられてしまえば、パロディだろうがオマージュだろうが、著作権侵害に相当するということもあるわけです。著作権者が親告せずに容認しているかたちが多いのは事実ですが、それでもリスクは少なからずあるということは覚えておかなければなりません。敬意の上で作成したパロディもオマージュも、グレーゾーンのところにあるわけです。

具体的なNG例は?

では著作権的にNGなものを、具体的に見ておきましょう。まず、みなさんやりがちなイラストやロゴの模写についてですが、元の作品がなにかわかるようなものは著作権の侵害にあたります。「自分は絵が下手だから大丈夫」「完全に模写していないから問題にならない」といういい分は通用しません。

他人が見たときに、モデルにしたキャラクターやブランドロゴがわかってしまったらダメなのです。これはイラストやロゴだけではありません。小説の文章やマンガのセリフ、歌に出てくる歌詞をデザインに反映したとしても、それも著作権の侵害になってしまいます。お気に入りのフレーズを引用したいというケースはよくありますが、一部分だけでもNGなので気を付けましょう。

意外と盲点なのは、顔写真です。有名人であっても友達であっても、許可なく顔写真を使ってはならず、これは肖像権の侵害にあたります。自分の顔が勝手に使われていたら気味悪くなりますよね。実はこれ、似顔絵でも肖像権の侵害にあたってしまいます。イラストやロゴと同じように、上手い下手は関係なく、誰を描いた似顔絵なのかわかってしまう場合はNGとなります。

許可があれば使用可能

NG行ためのところで「許可なく」「勝手に」と書いたとおり、著作権者が使用を許した場合であれば、法律上の問題が起きることはありません。肖像権についてもそれは同様です。一例ですが、とあるアーティストは、ファンが自分たちのオリジナルグッズを作る際に、似顔絵を使うのを許可しています。ただ、たとえこのように許可されている場合であっても、著作権者側に確認は取っておいたほうがよいでしょう。

 

自分のオリジナルでアパレルやグッズを作るのは楽しいものです。ただ、リスペクトする気持ちを持っていたとしても、既存の作品をオマージュ・パロディすることは、著作権を侵害するグレーな行ためとなっています。自分が作ったすてきなグッズを他の人にも見てもらいたいと思えばこそ、権利について勉強してからデザインしましょう。

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